見えてきたその令牌は蔵経閣を開く鍵であり、何か特別な符籙が刻まれているようだった。
秦玉は彼の手にある令牌を見つめ、目を細めた。
「この令牌を盗めたらいいのに」と秦玉は心の中で呟いた。
夏航は令牌を手に持ち、大門へとゆっくりと近づけていった。
しかしその時、突然一本の手が伸びてきて、夏航の手首を掴んだ。
「誰の許可で人を蔵経閣に連れてきた?」
澄んだ声が皆の耳に響いた。
振り向くと、一人の青年が夏航を皮肉げに見つめていた。
そして彼の傍らには、三人の老人が控えていた。
夏航は眉をひそめ、言った。「お前は何者だ?誰に言われてここに来た?」
青年は淡々と答えた。「私は第二の秘境の主の息子、顧星河だ!」
「そして、琴ばあやの後継者でもある!」
この言葉を聞いて、その場にいた全員が眉をひそめた。