第837章 私の方が恐ろしい！

「もういい、その枠なんかいらない」秦玉は冷たく言った。

しかし、万古瓊は諦めなかった。

彼は秦玉の腕を掴んで言った。「秦兄さん、約束します。我が万家は顔お嬢さんに何もしません。ただ少しばかりの血液を借りるだけです」

「だめだと言っただろう」秦玉は万古瓊の手を振り払い、その場を立ち去ろうとした。

その瞬間、万古瓊の表情が一気に冷たくなった。

「秦玉、私はずっとお前に礼儀正しく接してきたのに、お前は我が万家を全く眼中に入れていないようだな」万古瓊は冷たく言った。

秦玉は万古瓊を見つめ、言った。「誰にも顔若雪を傷つけさせない」

この時、万古瓊は丁寧そうな仮面を剥ぎ取った。

彼は冷たい目で秦玉を見て言った。「秦玉、言っておくが、お前には顔若雪を守りきれない！これからは我が万家だけでなく、無数の世家が彼女を狙うことになるぞ！」

秦玉の表情も、ますます冷たくなっていった。

「やってみろ」秦玉は冷たく言った。

そう言って、秦玉は立ち去ろうとした。

その時、万古瓊は後ろから叫んだ。「秦玉、もう一つ言っておく。顔若雪は我が万家のものだ！分別があるなら、自ら彼女を差し出せ。そうすれば我が万家はお前に恩を売ることになるぞ！」

その言葉を聞いて、秦玉の足が止まった。

彼は思わず笑みを浮かべた。

かつて顔若雪が京都武道協会に拘束されていた時、これらの所謂武道世家は、屁一つ放つ勇気もなかった。

誰も顔若雪を狙う勇気がなく、欲しがるだけで行動する勇気はなかった。

しかし秦玉が顔若雪を連れ出して以来、これらの者たちは狂ったかのように、必死になって顔若雪を手に入れようとしている。

まったく笑止だ。

これは明らかに弱い者いじめではないか？

秦玉は振り返り、目の前の万古瓊を見つめ、思わずため息をついた。

「お前たちは...私が易しい相手だと思っているのか？」秦玉は首を振りながら言った。

万古瓊は眉をひそめ、「どういう意味だ？」と言った。

秦玉は重々しく言った。「お前たちは、京都武道協会と比べて、私が易しい相手だと思っているのか？」

「お前たちは京都武道協会には手を出す勇気がないくせに、私には手を出せると？」

万古瓊は一瞬驚いた表情を見せた後、大笑いして言った。「何を言っているんだ！秦玉、さっきの言葉が分からなかったのか？顔若雪は...」

「バン！」