第873章 氷雪瑠璃心を手に入れる

宮主は慌てふためき、必死に叫んだ。「小僧め、よくも!」

秦玉は冷笑して言った。「何を恐れることがあろうか!」

そう言いながら、秦玉は拳を握り締め、まだ形成途中の元嬰に向かって一撃を放った!

その一撃は力は大きくなかったものの、元嬰を幾分か暗くさせた!

それだけでなく、宮主の本体も僅かに震えた!

宮主は慌てふためき、必死に叫んだ。「やめろ、やめてくれ!私を見逃してくれれば、どんな条件でも飲もう!」

秦玉は首を振って言った。「駄目だ。お前の最大の価値は、私に元嬰を提供できることだ」

そう言うと、秦玉は再び元嬰に向かって一撃を放った。

彼の元嬰はさらに暗くなり、体からは血を吐き出した!

宮主は顔色を失い、心中では極めて不甲斐なく感じていた!

これほど長い年月待ち続けたのは、今日この元嬰の境地に踏み入るためだったのに!

まさかこの重要な時に、全てが水泡に帰すとは!

「小僧め、お前と命を賭けて戦うぞ!!!」宮主は秦玉が一切取り合わないのを見て、まるで狂ったかのように叫び声を上げた!

すると、彼の元嬰が光り輝き始め、膨張し始めた!

恐ろしい力が、彼の元嬰から放出され始めた!寒宮全体が、この瞬間轟音を立てて揺れた!

「まずい!」秦玉は状況を見て、顔色を変えた!

「元嬰を自爆させる気か!」

秦玉は考える暇もなく、氷雪瑠璃心を掴むと、すぐさま逃げ出そうとした!

元嬰は依然として膨張を続け、恐ろしい力がこの瞬間まるで核分裂のように広がっていった!

秦玉は寒宮から逃げ出したが、門の外で待機していた張逸九は明らかに状況が分からなかった。

「何が起きたんだ?」張逸九は疑問に思って尋ねた。

秦玉は急いで言った。「早く伏せろ!」

その力はますます強くなり、轟音とともに、核爆発のような衝撃波が寒宮から放出された!

元嬰の自爆、その威力は想像を絶するものだった!

たとえ未完成の元嬰であっても、なお天地を破壊するほどの力を秘めていた!

「轟」という巨大な音とともに、寒宮全体が雪解け水となった!

そして秦玉の体は、直接吹き飛ばされた!

見渡すと、火柱が天に向かって立ち上り、氷の表面全体が燃え盛る大火のようになった!

この巨大な衝撃波の下、数百メートル四方の雪山が直接崩壊し、この場所に雪崩が引き起こされたかのようだった!