第265章 誕生日パーティー!

時が流れるのは早く、気づけば藤本奥様の誕生日パーティーの日になっていた。

  藤本家の邸宅の門が大きく開かれ、夜明け前から様々な物が運び込まれ始めた。全ての使用人が忙しく働き、藤本家全体が足の踏み場もないほど忙しかった。

  藤本家では久しぶりにこれほど大規模なパーティーが開かれるため、全員が忙しく働いていた。

  ゲーム好きの藤本悠佑でさえ、今日は家に呼び戻されて労働力として働かされていた。彼はそこに立って、キッチンの人々に指示を出していたが、ふと振り返ると藤本凜人が寺田芽を連れて外に向かうのを見かけ、すぐに追いかけた。「兄さん、どこに行くの?」

  藤本凜人は彼を一瞥し、目尻のほくろが冷たい光を放っていた。「俺の予定をお前に報告する必要があるのか?」

  藤本悠佑は首をすくめた。「それはもちろんないよ。」

  彼は好奇心に駆られて寺田芽に向かって尋ねた。「建吾、君たちどこに行くの?」

  寺田芽:「ママの家に行くの!」

  藤本悠佑は藤本凜人が抱えている2つの箱を見た。「これは何を持っていくの?」

 「ドレスよ!」

 藤本悠佑:?

 渡辺家は寺田凛奈にドレスを買えないほど貧乏になったのか?

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 一方、寺田雅美は鏡の中の自分を見つめていた。

 青いドレスを身にまとい、彼女の肌を玉のように輝かせ、全体的に非常に美しかった。

 彼女が階段を降りてくると、寺田史之助は褒め称えた。「妹、今日は本当に綺麗だよ!」

 寺田雅美はほほ笑んだが、何も言わなかった。

 寺田史之助は彼女の側に寄って来た。「どう?藤本凜人が今日青系の服を着ると聞いたよ。二人でお揃いの服が着られるね!」

 青について言及されると、寺田雅美はしばらく躊躇してから口を開いた。「お兄さん、Gブランドにブルーローズという手作りのドレスがあると聞いたわ。有名なデザイナーの完成作品で、そのドレスは...」

 寺田史之助は手を振った。「ああ、そのドレスは借りに行ったけど、貸してくれなかったんだ。あんなドレスは店の看板商品だから、外部に貸し出すことはないんだよ。君のこの青いドレスも有名だし、あれよりちょっと劣るくらいだよ。」

 寺田雅美は「そう」と言った。