寺田治:??
寺田治は少し驚いた。
実際、彼が団地内の野良猫や野良犬に餌をやるのにかかる費用は、少し多すぎたかもしれない。
結局のところ、猫や犬を飼うのは、貧乏育ちも金持ち育ちも同じだ。
彼が最初に飼い始めた頃は、野良猫たちに安い猫用フードを与えていた。野良猫たちにとっては、食べ物があるだけで十分満足だったからだ。
しかし、しばらくすると、野良猫たちの毛が激しく抜け落ち、栄養不良になっていることに気づき、彼らを連れて獣医に診てもらった。
獣医は言った。野良猫たちの多くは飼い主に捨てられたもので、中には何匹か良い品種の猫もいて、食事に対する要求がより高いと。
十分なビタミンを与え、十分なタンパク質を食べさせる必要があり、犬たちはさらに毎食肉と骨を食べて歯を磨く必要があると。
獣医はまた言った。もちろん、彼らに少し餌を与えるだけで十分で、餓死させないだけでも彼らへの善意だと。彼らのために財布を空にする必要はないと。
しかし、寺田治は常に完璧を追求する人間で、何をするにも強迫観念があった。それに、これらの猫や犬を見ていると、彼らを不自由な思いをさせたくなかった。そこで彼は意地を張って、毎月のお金をこれらの猫や犬たちのために使うことにした。
後に、兄が彼の支出を制限したとき、彼が両親にお金を要求すると、両親は彼の頭がおかしいと叱った。誰が毎月30万円も使って、ただこれらの野良猫や野良犬にちょっといいものを食べさせるためだけに使うのかと。
その後、他の人が彼にお金をどこに使ったのかと聞くと、彼はもう言わなくなった。時々冗談めかして「女の子たちにスキンやアイテムを買ってあげたんだよ!」と言うようになった。
この時、寺田治は少し呆然としていた。
彼が野良猫や野良犬に餌をやるのを見た人は誰でも、これらの猫や犬の生活水準を下げるよう彼に勧めていた。しかし、何も言わずに直接お金を出して彼のためにキャットフードを買ってくれる人は、今まで一人もいなかった。
彼は呆然と寺田凛奈を見つめ、ゆっくりと体を起こし、信じられない様子で尋ねた。「あなたは、このキャットフードがいくらするか聞かないの?」
寺田凛奈は眉を上げた。「ああ、いくらなの?」