第321章 詩乃

寺田凛奈は眉を上げた。

  武者としての直感で、この偽の大師姉はかなり敏感だと感じた。

  彼女が話そうとしたとき、偽の大師姉は彼女の腕輪の数字を見て驚き、すぐに武林の最高の礼儀作法で跪いて拝礼した。「レイエルが大師伯にお目にかかります!」

  大師伯?

  寺田凛奈は少し戸惑った。「あなたは誰の弟子なの?」

  「師匠は小出佑一です。」

  小出佑一は瀬戸門の二番目の師兄で、ここ数年、彼女が瀬戸門の事を管理していなかった間、すべて小出佑一が管理していた。

  寺田凛奈は手を軽く上げた。「立って話しなさい。」

  レイエルという名の逞しい女性が立ち上がった。その大きな体格は寺田凛奈よりも半頭分高く、力強さが感じられ、確かに瀬戸門の流派を歩んでいた。

  瀬戸門は着実な歩みを重視し、力と体形、そして巧みな技を磨く。