第330章 寺田凛奈と028号

管家が彼のその行動を見て、急に興奮した。

  皆は漢方医学に鍼灸があることは知っていたが、実際に目にすると、やはり驚きと戸惑いを感じた。今では漢方医学はあまり一般的ではなく、あの針はあんなに長くて、人の脳全体を貫通できそうに見えたからだ。

  だから、寺田凛奈の行動にかなり驚いたのだ。

  老いぼれの様子が本当に良くなっているようで、管家はまた唾を飲み込んだ。「気分はどうですか?」

  老いぼれは大きな白いまんじゅうを一口かじり、ゆっくりと口を開いた。「眠くなってきた。」

  その言葉が落ちるや否や、彼の指が緩み、大きな白いまんじゅうが床に落ち、彼自身もベッドに倒れ込んだ。

  これは昏睡状態に入ったのだ。

  鍼灸の副作用で、とても普通のことだ。

  寺田凛奈はそう考えながら、針を取り上げ、さらに2回刺した。