カウンターの係員がすぐに立ち上がり、寺田治はびっくりしてしまった。
彼は呆然と係員を見つめて言った。「ど、どうしたんですか?」
しかし係員は彼にまず一礼をし、すぐに口を開いた。「少々お待ちください!」
そう言うと、彼女はカードを持って隣の支店長室へ駆け込んだ。
寺田治は恐ろしくなった。
彼は周りを見回すと、他の業務を行っている人々は普通に対応されているのに、彼のところだけ突然人がいなくなったことに気づいた。
彼はゴクリと唾を飲み込んだ。もしかして、このお姉さんのキャッシュカードは盗んだものなのか?さっきキャットフードを30万円も使ったのに、限度額を超えなかったんだ!
そして今、係員は警察に通報しに行くのだろうか?
彼は驚いてさっと立ち上がり、無意識のうちに急いで出口の方へ歩き出した。
数歩歩いたところで、突然後ろから誰かが追いかけてきた。「お客様、お待ちください!」
寺田治:!!
彼は何も言わずに、一目散に外へ走り出した。
しかし、銀行の入り口にいた警備員が支店長が彼を追いかけているのを見て、無意識に何か悪いことをした人だと思い、すぐに飛びかかってきた。
寺田治は器用に警備員の引っ張りを避け、「兄貴、俺を引っ張らないでくれ!このキャッシュカードは俺のじゃない、俺、拾ったんだ!」
そう言うと、さらに外へ逃げ出し、歩道に沿って走り続けた。
しかし、数歩進んだ後、警備員が追いついてきた。「拾ったんなら何を怖がってるんだ?立ち止まって、支店長と話をはっきりさせろ!そうしないと警察を呼ぶぞ!」
「警察を呼ばないで!」寺田治は走りながら叫んだ。「俺は法律を破ってない!」
警備員:「じゃあ止まれよ、逃げるな!」
「いやだ!」
寺田治は頭を下げたまま走り続け、同時に携帯を取り出して寺田凛奈にLINEを送った。【この野郎、お前のせいで俺は大変なことになったぞ!!】
彼らが猫のために買い物をしていたとき、寺田治は積極的に寺田凛奈のLINEを追加し、彼女に言った。「今後何かあったら俺を呼べ!俺がお前を守ってやる!」
まさかこんな状況になるとは思わなかった!
メッセージを送った後、彼は自分の特技を発揮し、懸命に前へ走り続けた。
警備員:「……」