カウンターの係員がすぐに立ち上がり、寺田治はびっくりしてしまった。
彼は呆然と係員を見つめて言った。「ど、どうしたんですか?」
しかし係員は彼にまず一礼をし、すぐに口を開いた。「少々お待ちください!」
そう言うと、彼女はカードを持って隣の支店長室へ駆け込んだ。
寺田治は恐ろしくなった。
彼は周りを見回すと、他の業務を行っている人々は普通に対応されているのに、彼のところだけ突然人がいなくなったことに気づいた。
彼はゴクリと唾を飲み込んだ。もしかして、このお姉さんのキャッシュカードは盗んだものなのか?さっきキャットフードを30万円も使ったのに、限度額を超えなかったんだ!
そして今、係員は警察に通報しに行くのだろうか?
彼は驚いてさっと立ち上がり、無意識のうちに急いで出口の方へ歩き出した。