第323章 目立ちたがり

中二病の寺田洵太があんなにも自信満々なのを見て、寺田凛奈も彼の自信を打ち砕くような言葉を言う気にもなれなかった。

しばらくして、藤本凜人がやってきた。

彼は黒いマスクをつけていて、顔の半分を隠していた。

寺田洵太は彼をしばらく見てから、昨日の人だと確認し、口を開いた。「君と大師兄は本当に似ているね。誰も言わなかったら、僕は人違いしていたかもしれない!でも、大師兄には子供がいないよ。」

そう言って、彼は寺田芽の方を向いて尋ねた。「君は試合に来て、子供を連れてきて何をするつもりなの?」

寺田芽は口をとがらせた。「なんで子供を連れてきちゃいけないの?」

寺田洵太:「君を連れてきたら、どうやって戦うの?試合の時、君をどこに置くの?」

その言葉が出たとたん、藤本凜人が口を開いた。「私が彼女を舞台に連れていきます。」

寺田洵太:???

彼はまず呆然とし、それからプッと笑い出した。「子供を連れて試合台に上がるの?君、頭おかしくなったの?」

彼は首を振りながら言った。「試合台は目がない、子供が怪我したらどうするの?でも、ここは人が多くて目が行き届かないから、子供を下に置いておくのも確かに安全じゃないね。」

藤本凜人はこれらの言葉を聞きながら、ゆっくりと言った。「私は数合わせに来ただけです。」

ABクラスの試合なら、彼が手を出さなくても、凛奈一人で十分対処できる。

しかし、この言葉が寺田洵太に誤解されるとは思わなかった。

寺田洵太は考えた後、頷いた。「君の言う通りだ。試合の時は僕の後ろに立っていてくれ。僕が二人を相手にする。」

藤本凜人:???

寺田洵太は考えれば考えるほど、これはとてもショッキングだと感じた。

おそらく長い間隠れていて、抑圧されていたせいで、彼は目立つことに非常に興味があった。彼は顎をなでながら言った。「こうすれば、みんな必ず僕たちのチームに注目するはずだ。そうだ、僕たちのチーム名は何にする?」

藤本凜人が話そうとしたところで、寺田洵太は指を鳴らした。「世界第三はどう?」

寺田凛奈:?

藤本凜人:?