しかし、向かい側の三人は寺田洵太に話す機会を与えず、すぐに突進してきた。
寺田洵太は眉をひそめた。
目立ちたがり屋の性格は信頼できないが、武術家としての直感で、彼はすぐに寺田凛奈と藤本凜人の前に立ちはだかった。
残念ながら、双拳四手に敵わず。
敵わないというわけではなく、結局一人ずつ相手にしなければならず、相手は田忌の競馬の方法を採用して彼らを攻撃し、二人のCランク学生がそれぞれ寺田凛奈と藤本凜人を攻撃した。
一人のBランク学生が寺田洵太にくっついた。
藤本凜人は子供を抱えているので、確実に手を出せない。
寺田凛奈は女性一人で、昨日も相手の軽視という利点を活かして一撃必中だった。この二人のCランク武術家がこの二人を片付けたら、そのBランクの人物と合流して、三人で寺田洵太一人を攻撃すれば、必ずしも負けないはずだ!
寺田洵太は中二病だが、知能は正常だ。そうでなければ寺田亮に選ばれて寺田家の闇の勢力を統括することもなかっただろう。一瞬でこれらを理解した後、彼は不快な表情で口を開いた。「二人とも持ちこたえろ、すぐに援護に行く!」
言い終わると、彼は全力を尽くし、最も辛辣な技を繰り出した。Bランク武術家の不意を突いて、手刀を相手の首筋に叩き込んだ。
Bランク武術家は目の前が真っ暗になり、その場で気絶した。
寺田洵太はフェイントを一つ、実際の攻撃を一つ、二つの技で相手を倒した後、振り返って援護に向かおうとした。ついに自分が活躍する時が来たと思ったが、しかし——
寺田凛奈と藤本凜人に向かっていった二人のCランク武術家は、すでに台の下に倒れていた。
寺田洵太:??
彼はそこに呆然と立ち、ぼんやりと尋ねた。「何が起こったんだ?」
何が起こったって、もちろん寺田凛奈が一発、藤本凜人が一蹴りで、二人を吹っ飛ばしたのだ。
「……」
会場が一瞬静まり返った後、司会者の宣言が響いた。「世界第三チームの勝利!」
会場は激しい歓声に包まれた。
寺田洵太は呆然とした表情で寺田凛奈と藤本凜人に続いて台を降りた。降りるや否や、四方八方から押し寄せる人々を目にした。
「琉心!」