第338章 降参するか?

辻本凌也は時間を無駄にしたくなかったので、素早く決着をつけようと思った。

そのため、彼はこの一撃に全身の力を込めた。相手が女性であることも気にせず、少しも情けをかける気はなかった。

本来なら、目の前の女性は細い体を利用して避けることができたはずだ。

しかし、028号はなんと避けもせず、むしろ手を伸ばして彼の一撃を受け止めようとした!

「本当に死にたいらしい!」

辻本凌也は心の中でそう思い、冷笑した。

彼らの流派は力を重視する。拳王の弟子として、力の面では間違いなく最強だ。彼が瀬戸門に挑発したのもそのためだ。小坂門は身のこなしが素早いので、彼が勝てるかどうかわからなかったからだ。

しかし、瀬戸門も実力本位の流派だ。

だが、一人の女が彼と力比べをするだって?

ふん。

辻本凌也はそう考えながら、さらにスピードを上げた。体の勢いに加えて元々蓄えていた力で、この一撃は泰山を押すような勢いになっていた。