管理人が連絡先に行っている間、寺田真治は眉をひそめて手術室を見つめていた。
彼はまた電話をかけ、京都で呼べる専門家をすべて呼んだ。
専門家たちが診察している間、寺田真治は横に立ち、口を出さなかった。これは彼の能力の範囲外だった。彼の最大の長所は、自分が理解していないことに口を出さないことだった。
老いぼれの命を信頼できる医師に任せ、彼は携帯電話を取り出し、警察の人々に連絡を取り始めた。寺田凛奈がどういう状況なのか、なぜ保釈できないのかを聞きだそうとした。
「わかりました。それじゃあ、調べてもらえますか。ありがとう」
また一本の電話を切った後、寺田真治は携帯電話を取り出し、しばらく考えてから藤本凜人に電話をかけようとした。
藤本家がAntiを呼べるなら、寺田真治は自分が藤本凜人に劣っていることを認めたくなくても、今この時、藤本家の助けを借りるしかなかった。