二日目。
寺田凛奈が目を覚まし、あくびをしながら部屋を出ると、秋田花泉が2階の小さな応接室に座っているのが見えた。彼女が出てきたのを見て、すぐに近づいてきた。「凛奈、起きた?」
寺田凛奈はうなずいた。
秋田花泉は明らかに彼女を待っていた。「聞いたんだけど、あの、老いぼれの病気を診るの?」
寺田凛奈は再びうなずいた。
以前は老いぼれのことを気にしていなかったが、後になって彼が寺田喜助かもしれないと気づいた。しかし、彼は確かに病気で、狂ってしまい、昔のことの多くを覚えていなかった。
昨夜、寺田凛奈は考えた末、彼の診療をすることに決めた。
脳の病気を治せば、寺田喜助と母親の昔の出来事について話してもらえるだろう。
もちろん、老いぼれの診療は簡単なことではない。まず、彼は狂っているので、寺田凛奈は寺田家の人に常に彼を見守ってもらう必要がある。あちこち歩き回らないように。