第372章 もうすぐ到着!

寺田凛奈はこの言葉を聞いて少し驚き、そして辺りを見回して言った。「どこにいるの?」

  福山亜由莉:「……ずっと目覚めなかったので、彼女はまた先に帰りました。今日か明日また来ると言っていました。」

  もう二日目の朝になっており、小泉佐友理はとっくに帰っていた。

  彼女は頷いた。「わかりました。」

  そして小泉佐友理にLINEを送り、夜に来るよう約束した。

  しかし小泉佐友理はすぐには同意せず、代わりに返信した。【あの、今夜寺田治さんはいますか?】

  寺田凛奈:?

  彼女は左右を見回し、尋ねた。「寺田治はいる?」

  福山亜由莉が答えた。「今朝早くに出かけました。凛奈さん、彼に用事がありますか?」

  「ないわ。」寺田凛奈は少し考えてから、「彼は今日の午後いる?」

  福山亜由莉が答えた。「たぶんいないと思います。」

  「わかったわ。」

  寺田凛奈は小泉佐友理に返信した。【いないわ。】

  小泉佐友理はようやく安心したように見えた。【わかりました、凛奈姉さん、夜に会いましょう。】

  寺田凛奈:「……」

  彼女は一晩寝ただけなのに、何か大変なことが起こったようだ。

  なぜ一人は彼女に兄を迎えに行かせ、もう一人は何かを恐れるように寺田治を避けているのだろうか?

  彼女は躊躇しながら福山亜由莉を見たが、結局何も聞かずに直接階下に降りて車で郊外の別荘に向かった。

  別荘に着くと、木田柚凪が顔を黒くして玄関に立っているのが見えた。彼女を見ると、顔を引きつらせて口を開いた。「来るのが早すぎるわね。」

  寺田凛奈はあくびをしながら言った。「うん、朝食も食べてないわ。」

  木田柚凪は口角を引きつらせた。「じゃあ、朝食を食べて、昼寝をして、それからまた来る?」

  寺田凛奈は笑った。「それもいいかもね。」

  「……」

  木田柚凪は深呼吸をして、彼女を部屋に案内した。

  部屋の中では、寺田真治がソファーに横たわり、くつろいで雑誌を読んでいた。藤本建吾が彼の隣で数学の勉強をしており、時々わからないことがあると尋ね、寺田真治がゆっくりと丁寧に説明していた。