第373章 服を選ぶ

藤本建吾は階段を上がって本を読みに行き、寺田凛奈はリビングのソファーに座っていた。

小泉佐友理がまだ到着していない中、内管理人の福山亜由莉がマネージャーらしき人を連れて入ってきた。「凛奈さん、お帰りのタイミングがぴったりです。新シーズンの服が届きましたので、ちょうど選んでいただけます。」

寺田家の最高級な家柄として、毎シーズンオーダーメイドの服が決まっていた。もちろん、寺田家のお嬢様として自分で買いに行くのは別枠だ。

高級オーダーメイドブランドは、毎シーズン訪問し、デザイナーの作品を選んでもらう。マネージャーの後ろには数人のスタッフがついており、それぞれが服地を手に持ち、さらに分厚いカタログを持っていた。そこには様々なスタイルの服が載っており、寺田家のお嬢様方や奥様方に選んでもらうためのものだった。