外にいた全ての記者たちと画面の前の視聴者たちは、一瞬にして静まり返った。まるで突然ミュートボタンを押されたかのようだった。
みんな信じられない様子で寺田凛奈を見つめていた。
彼女がAntiだって?
この若い女性は、まだ20代前半くらいだろう?まさかAntiだなんて?本当に信じられないことだった!
その記者も喉を鳴らして飲み込んだ。「あ、あ、あなた、冗談でしょう?」
寺田凛奈はもう何も言わなかった。
しかし、隣の人が彼を突っついた。「こんなことで冗談を言えるわけないでしょう?こういうことは、調べればすぐにわかるんだから!海外でどれだけの人がAntiの手術を受けているか。今こうしてライブ配信しているんだから、みんなこのことを知ることになる。彼女は偽りを言えないはずだ!」
「Antiは月に2件しか手術を引き受けない。以前は、この医者はプライドが高すぎるんじゃないか、生活費を稼ぐ必要がないのかと思っていたけど、今になって突然わかったよ。彼女は本当に必要ないんだ!」
「……つまり、彼女が老いぼれの診察をすると言ったのは、本当に診察していたということか!名声を得るためじゃなかったんだ?」
「Antiが他人を利用して自分の名声を高める必要があるだろうか?」
「じゃあ、これらすべては、一体どういうことなんだ?」
「あなたの家の使用人、老いぼれと呼ばれている人が、なぜ突然死にかけたんですか?それに、警察はなぜあなたを逮捕しようとしたんですか?」
この質問に、寺田凛奈がまだ答えていないうちに、石山博義が彼女に代わって口を開いた。「老いぼれが毒を盛られたからです。我々は彼の血液から不明な成分を検出しました。だから寺田さんに警察署に来て協力調査をお願いしたのです。」
毒を盛られた、協力調査……
これらの言葉が出るや否や、物事を理解できる人がすぐに口を開いた。「石山さん、それじゃあ警察署の対応が間違っていますね。医者が自分の患者に毒を盛るわけがないでしょう?」
「そうですよ、彼女はバカじゃないんだから……使用人と恨みがあるなら、わざわざ治療する必要なんてないでしょう?」
「……」