第361章 犯人を特定!

外にいた全ての記者たちと画面の前の視聴者たちは、一瞬にして静まり返った。まるで突然ミュートボタンを押されたかのようだった。

  みんな信じられない様子で寺田凛奈を見つめていた。

  彼女がAntiだって?

  この若い女性は、まだ20代前半くらいだろう?まさかAntiだなんて?本当に信じられないことだった!

  その記者も喉を鳴らして飲み込んだ。「あ、あ、あなた、冗談でしょう?」

  寺田凛奈はもう何も言わなかった。

  しかし、隣の人が彼を突っついた。「こんなことで冗談を言えるわけないでしょう?こういうことは、調べればすぐにわかるんだから!海外でどれだけの人がAntiの手術を受けているか。今こうしてライブ配信しているんだから、みんなこのことを知ることになる。彼女は偽りを言えないはずだ!」

  「Antiは月に2件しか手術を引き受けない。以前は、この医者はプライドが高すぎるんじゃないか、生活費を稼ぐ必要がないのかと思っていたけど、今になって突然わかったよ。彼女は本当に必要ないんだ!」

  「……つまり、彼女が老いぼれの診察をすると言ったのは、本当に診察していたということか!名声を得るためじゃなかったんだ?」

  「Antiが他人を利用して自分の名声を高める必要があるだろうか?」

  「じゃあ、これらすべては、一体どういうことなんだ?」

  「あなたの家の使用人、老いぼれと呼ばれている人が、なぜ突然死にかけたんですか?それに、警察はなぜあなたを逮捕しようとしたんですか?」

  この質問に、寺田凛奈がまだ答えていないうちに、石山博義が彼女に代わって口を開いた。「老いぼれが毒を盛られたからです。我々は彼の血液から不明な成分を検出しました。だから寺田さんに警察署に来て協力調査をお願いしたのです。」

  毒を盛られた、協力調査……

  これらの言葉が出るや否や、物事を理解できる人がすぐに口を開いた。「石山さん、それじゃあ警察署の対応が間違っていますね。医者が自分の患者に毒を盛るわけがないでしょう?」

  「そうですよ、彼女はバカじゃないんだから……使用人と恨みがあるなら、わざわざ治療する必要なんてないでしょう?」

  「……」