第362章 薬は大小姐の部屋から取ったのです！

石山博義はその言葉を聞いて、漆黒の瞳に一筋の鋭い光が走った。

　　彼は尋問室の中の状況を一瞥した。

　　藤本凜人が人を中の寝台に寝かせた後、そこを守っていた。何も言わなかったが、その様子は明らかに誰も邪魔をさせないというものだった。

　　彼はやむを得ず横に二歩歩き、尋問室を迂回してから尋ねた。「誰だ？」

　　その者が報告した後、石山博義は目を伏せた。

　　最終的に、彼は頷いた。「わかった。」

　　そう言って尋問室に向かった。入ろうとしたとき、黒いスーツを着たボディーガードが布団を抱えて中に入っていくのが見えた。

　　石山博義：？

　　彼が少し呆然としている間に、また別のボディーガードがシングルベッドのマットレスを抱えて入っていき、さらに誰かが枕を抱えて入っていくのを見た。

　　石山博義：！！

　　彼は口角を引きつらせながら、ドアの所に立って、ようやく尋問室のあの硬い板床が柔らかいベッドに変えられていることに気づいた。寺田凛奈は口の中で何かつぶやきながら、寝返りを打って眠り続けていた。

　　一方、藤本凜人は彼女のために布団をかけ直していた。

　　石山博義：……

　　彼は深呼吸をして、十分な心の準備をしてから中に入り、声を低くして話し始めた。「この件は寺田さんと関係ないことがわかりました。彼女は家に帰って寝てもいいですよ。」

　　「シーッ。」

　　しかし藤本凜人は彼に静かにするよう合図をし、そして言った。「目が覚めたら帰ります。」

　　石山博義：？

　　もういい加減にしろ！お前たち夫婦はここを何だと思っているんだ？目が覚めたら帰る？

　　まったく人をバカにしている！

　　石山博義はそう思いながら、顔を曇らせて出て行った。ドアの所まで来たとき、足を少し止め、それでもドアを閉めた。

　　尋問室の防音効果は非常に良く、ドアを閉めると外界のすべての音が遮断され、中はより静かで眠りに適した環境になった。

　　藤本凜人は非常に満足だった。

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　　寺田家。

　　老いぼれは一時的に生命の危機を脱し、集中治療室に移されて監視されていた。病院に残っていた人々も次々と帰っていった。