第376章 寺田雅美への制裁!

その様子は、何か不満があるようだった。

  寺田史之助は寺田雅美が管理権を剥奪されたことを知っていたので、この言葉を聞いて、思わず秋田花泉が彼女とドレスを争っているのだと思った。

  彼は呆然として、秋田花泉の方を向いた。「妻よ、どんなドレスのことだ?」

  彼は秋田花泉の手を引いて、脇に連れて行った。「わかったよ、今日もまた注文服を作りに来たんだね?また怒っているのか?」

  過去数年間、強気な性格の秋田花泉は毎年必ず一度は怒っていた。

  寺田史之助はそれを知ると、その数日間は特に彼女を喜ばせようとし、一緒に買い物に行ったり、旅行に連れて行ったりした。

  彼は無意識のうちに諭した。「俺たち、約束したじゃないか?彼女が嫁に行けば全て解決するって。それからは、この家であなたが一番偉くなるんだ!その時は、あなたの選んだものが全てだ!ほら、今や彼女と藤本家との結婚も破談になったし、これからは寺田家ほど良い家には嫁げないだろう。一枚のドレスのために、彼女と争う必要なんてないだろう……」

  彼女と争う必要なんて……

  この5つの言葉で、秋田花泉の心の中の不満が膨らんだ。

  彼女は家で意図的に標的にされていたのに、夫と息子のことを考えていた。でも夫は?何かあれば、いつも妹の味方ばかりする!

  秋田花泉は寺田史之助を睨みつけ、今回は本当に心を痛めた。「あなた、私が一枚のドレスのためにここで怒っていると思うの?」

  寺田史之助は頭をかいた。

  典型的なストレートな男性である彼は、本当に女性の気持ちに鈍感だった。

  傍にいた寺田雅美が口を開いた。「お兄さんの奥さん、お兄さんに怒らないでください。私が言ったんです、そのドレスはあなたにあげると……私が悪かったんです。あなたがそのドレスを好きだということに気づかずに、自分で取ってしまって……」

  秋田花泉は彼女のこの偽善的な言葉に、言葉を失った。

  しかし、寺田史之助はそれを信じてしまい、寺田雅美の前に歩み寄った。「雅美、お前がそんなに寛大なら、遠慮なく受け取らせてもらうよ。ハハハ、こうしよう、明日俺が一緒に服を買いに連れて行ってやるよ、どうだ?」