負けられるのか?
負けるわけにはいかない!
寺田洵太が口を開いた。「奴らと対戦させてくれ。ボロボロにしてやる!」
この言葉に、主催者は彼を見て、再び首を振った。「はぁ、まずは彼らの試合を最後まで見てからにしなさい。」
寺田洵太には意味が分からなかったが、すぐに理解することになる。
当初、三人の中で辻本凌也が一番強いと思っていたが、隣に立っている黒人のスキンヘッドが実は最強だった。
彼の体は鋼鉄のようで、そこに立っているだけで刀剣さえも通じないように見えた。対戦相手はDランクだったが、この三人は子供を相手にするかのように、相手を翻弄した。
今回、辻本凌也はあまり武徳に反することはしなかった。
三人は相手を直接リングから落とし、勝利を収めた。
周りから拍手は起こらず、辻本凌也は無言で、何も言わなかった。隣の黒人スキンヘッドは頭を撫でながら、英語で一言言った。
聞き取れなかった人が尋ねた。「彼は何て言ったの?」
寺田芽が通訳した。「日本人には一人も戦える者がいないのかって。」
「……」
一言で、その場にいた全員が沈黙した。
いつも一番おしゃべりな寺田洵太でさえ、この時ばかりは表情を引き締めた。彼は上を見つめて暫く経ってから、寺田凛奈に近づいて尋ねた。「大師姉、気付いたか……」
「強くなっている。」
寺田凛奈は直接彼の言葉に答えた。
寺田洵太はすぐに頷いた。「そうだ。それも少しじゃない。今の辻本凌也なら、大師姉の手の内で数十手は持ちこたえられるんじゃないか?」
寺田凛奈は答えた。「二十手だ。」
寺田洵太:「……」
大師姉は自信満々だ!
しかし!
彼は強い危機感を感じていた。「元々俺が京都第三位だったのに、あいつに脅威を感じる。今は大師姉と大師兄以外に、奴らの相手ができる人はいないんじゃないか?俺なら、せいぜい互角といったところだ。」
この言葉に、主催者はため息をついた。「今わかったでしょう、なぜあなたたちに試合を見せたのか。この
チームを倒すには、今のところ大師姉と大師兄が練習相手になるしかないかもしれません!」
寺田洵太はすぐに頷いた。「そう思います。」