寺田凛奈は地下闘技場に入り、飲食エリアで直接藤本凜人を見つけた。
小さな女の子を抱いている男性は、あまりにも目立ちすぎていた。
彼女が近づくと、銀のマスクをつけた寺田芽が柔らかい声で話し始めた。「ママ、何日も会えなかったわ。寂しかったの〜あなたを見ると、全身に力がみなぎるわ!」
寺田凛奈:「……」
彼女は口角をピクリと動かし、芽がさらに話そうとしているのを見て、すぐに口を開いた。「黙りなさい」
寺田芽はすぐに大人しく口を閉じた。
寺田凛奈は歩み寄り、ソファに身を投げ出すと、そこに寄りかかって目を閉じた。今夜は寺田雅美が病院に行くのを待つために、昼間からずっと寝ていなかったのだ。
目を閉じても、芽が藤本凜人に耳打ちしているのが聞こえた。「パパ、見た?十分に寝てないママはとても怖いの。この時は絶対に怒らせちゃダメよ!」