第385章 因果

寺田雅美は狂ったように叫び、寺田真治を指差して怒鳴った。「あなたたちが私を引き取ったのは、政略結婚の道具にするためだけだったのね。今じゃ私が役立たずだって分かって、この女が戻ってきたから、妹ができたから、私を捨てようとしているのね!邪魔だって思ってるんでしょ?寺田家の人間はみんな悪い人よ、悪人!!最初から下心があったんだわ!」

「……」

彼女はヒステリックに叫び続けた。事情を知らない人が聞けば、本当に寺田家が彼女に対して非道いことをしたと思うかもしれない。

彼女がどれだけ叫んだか分からないが、寺田凛奈はようやく指で耳をほじりながら言った。「ちっ、もう聞くに堪えないわね」

寺田雅美の声が突然止まり、怒りに満ちた目で凛奈を見た。

寺田凛奈はしゃがみ込んで、彼女と向き合った。「あなたが来る前の期間、私はあなたのことを調べたわ」

彼女はこの人間にまだ救いの余地があるのか、本当に心が悪いのか、それとも単に愛情不足なのかを見極めたかった。

結局のところ、ベッドに横たわっているあの人が引き取った娘なのだから。

しかし、結果は彼女を驚かせた。

彼女は携帯を取り出し、保存してある様々な資料の入ったアルバムを開いた。「あなたは彼があなたを引き取って、ひどい扱いをしたと言うけど……孤児院であなたと一緒だった子供たちが今何をしているか知ってる?」

「これ、あなたの上の段のベッドだった女の子、覚えてるでしょ?普通の家庭に引き取られたけど、高校までしか行けなくて大学に行くお金がなかった。それで働きに出て、同じように働いていた彼氏と知り合って、今は結婼している。でも二人とも生活のために必死に頑張っているの。彼女は人生で一度も、誰かの服が数十万や数百万円もするカスタムメイドだということを知らないわ。そんなにお金を見たことがないから」

「これはまだ普通の方ね。次はこの子を見て。これもあなたたちの寮の女の子だけど、鬼畜な父親に引き取られて、20年間監禁されていたの。男を家に呼んで接客させて金を稼がせて、生きるのがつらいような日々を送っていた。今はあの病気にかかって、もう治らない。死を待つだけよ」

「それからこの子は……」