第460章 叔母と姪の趣味が合う

藤本柊花は驚いて目を見開き、信じられないように目をこすりました。「えっ?今日は目が霞んでいるのかしら?」

  でも、もう一度目を開けても、寺田芽と藤本建吾が二人で彼女の前に立っているのが見えました。

  彼女はしばらく反応できませんでした。「ふ、二人の建吾?」

  寺田芽は少しため息をつきました。「叔母さん、もう言ったでしょ。私は兄じゃないの、芽よ!寺田芽!」

  寺田芽……

  これは寺田凛奈が藤本家に連れてくるはずのお荷物じゃないの?

  でも、どうして建吾とそっくりなの?

  寺田家のシャンデリアの下で、藤本柊花がまだぼーっとしている間に、藤本建吾はすでに真由美の手を離し、一目散に寺田芽の前に走り寄り、呆然としている寺田芽を引っ張って自分の後ろに隠しました。「叔母さん、妹に何をするつもりなの?」

  藤本柊花:?

  彼女は目をぱちぱちさせ、やっと理解しました。「寺田芽とあなたは……双子なの?じゃあ、その寺田凛奈が、あなたのママなの?」

  藤本建吾は小さな眉をしかめ、馬鹿を見るような表情で言いました。「当たり前じゃない。僕はもうずっと前からママって呼んでるでしょ?」

  建吾から見れば、彼がママと呼んだ女性は彼を産んだ女性で、この世に継母というものがあることを全く知りませんでした。

  藤本柊花:「……」

  彼女は再び寺田芽を見つめ、突然魅惑的に笑いました。「ははははは!私にも姪っ子ができたわ!芽ちゃんでしょ?早く来て、私のところにはまだ何人かのイケメンを紹介していないのよ!」

  寺田芽はそれを聞いて、小さな足で藤本柊花の前に歩み寄ろうとしました。藤本建吾は彼女の手を握りました。「芽、パパが言ったでしょ?叔母さんから離れなさいって!そうしないと悪い影響を受けちゃうよ!」

  藤本柊花:「……」

  彼女は口角を引き締め、思わず藤本建吾を見ました。「あなた、何て言い方なの?」

  寺田芽も口を開きました。「でも兄さん、叔母さんはとても良い人だと思うわ!」

  藤本建吾:「……どこがいいの?」

  まだ会ったばかりで、ほとんど話もしていないのに、もうよいと思うの?