第463章 奇妙な病気

その人は顔を上げずに、直接薬を堀口泉弥の手に置いた。「これを飲めば、出られるぞ」

これを飲む?

堀口泉弥は唇を噛みしめ、その白い錠剤を見つめた。「これは何の薬なんですか?」

「知る必要はない。ただ、これを飲めば出られるということだけ知っておけばいい」

その人は同じことを繰り返して言うと、すぐに立ち去った。堀口泉弥だけがその場に残され、手の中の薬を見つめていた。

飲むべきか、飲まざるべきか?

彼女は突然拳を握りしめ、遠ざかっていくその人の背中を見つめた。

二人が出会った経緯や、この間の彼女の変化を思い返してみると...堀口泉弥は突然決心し、周りの人が気づかないうちに薬を飲み込んだ。

この一錠の薬が彼女にどんな結果をもたらすか、知る由もなかった。

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「何だって?堀口泉弥が突然病気になった?」