第495章 高岡さんが面目を失う

「何ですって?」

三原御医は驚いたような、聞き間違えたような様子で、声が一瞬高くなった。

高岡さんは慌てて慎重に説明した。「寺田家が最近認知した長女の寺田凛奈のことです。藤本家の婚約者だと聞いています...そうそう、彼女にはもう一つ重要な肩書きがあって、国際外科医のAntiなんです。この肩書きはとても尊敬されているんですよ。若い人だから、ちょっと褒められただけで調子に乗って、自分は医学界で無敵だと思い込んでいるんでしょうね?」

高岡さんはここまで話して、恐る恐る三原御医の様子を窺った。

実は彼は少し自信がなかった。

寺田雅美が三原御医から五十嵐安神丸を買えたということは、三原御医は寺田家と繋がりがあるということだ。

特に先ほど寺田凛奈が本を借りに来て、実際に借りることができたということは...