第505章 寺田家が婿を選ぶ！

藤本奥様の考えは単純だった。

子供は母親の一番の弱みだ。二人の子供を連れて行けば、寺田凛奈が藤本家に来ないはずがない！

しかし、彼女の言葉が落ちた後、後ろが静かになったことに気づかなかった。

振り返ると、建吾と芽が呆然と彼女を見つめ、凜人は口を引き締めていた。

藤本奥様は固まった：「凜人、何をぼんやりしているの？子供を抱きなさい！芽ちゃんがこんなに眠そうなのに……」

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、寺田亮の声が聞こえた：「お義母様、先ほどお話ししたように、芽は藤本家とは何の関係もありません。せいぜい建吾だけを連れて行けるでしょう。」

その言葉が落ちるや否や、建吾が口を開いた：「僕は行かない、ママと一緒にいる。」

藤本奥様：！！

彼女は完全に呆然とし、すぐに驚いて口を開いた：「この二人の子供は藤本家の血を引いているのだから、もちろん私と一緒に行くべきよ！」

寺田亮は強い口調で：「何が藤本家のですか？これは私の娘が産んだ子で、寺田家の血も流れているんです！」

藤本奥様は顎を引き締めた：「お嬢様、今は社会が発展したのは分かりますが、私たち名家ではまだ女系より男系を重んじるのです。あなたの娘もいずれは嫁に行くのですから、藤本家の子供を他家で苦労させるわけにはいきません！」

寺田亮は笑った：「誰が私の娘を嫁に出すと言いました？私は将来、娘に婿を取らせます！どうせ息子がいないのだから、娘は息子と同じです！」

そう言って、寺田真治に尋ねた：「真治、あなたは構わないでしょう？」

寺田真治は背筋を伸ばした：「もちろん構いません。妹に寺田グループの経営を任せても、私は何の異議もありません。」

寺田亮は眉を上げ、藤本奥様を見た：「お聞きになりましたか？」

藤本奥様：！！

彼女は寺田亮に言い負かされ、凜人の方を向くしかなかった：「凜人、あなたは何も言わないの？」

そう言った後、小声で続けた：「凜人、寺田さんを家に迎えたいなら、彼女を折れさせるには、二人の子供を連れて行くべきよ！きっと追いかけてくるわ！」

この言葉に、凜人の目はさらに冷たくなった。

彼はずっと知っていた、祖母が凛奈を好まないことを。

祖母が好むのは伝統的な女性で、家で夫に仕え子を育てる、母のような女性……彼女は母を藤本家に一生閉じ込めたのだ！