第551章 倉田隊長の面目丸つぶれ!

病院にて。

倉田隊長が目を覚ましたとき、まだ頭がぼんやりとしていた。彼はふらつく頭を抱えながら起き上がると、すぐに周りの人々が駆け寄ってきて支えた。「隊長、大丈夫ですか?」

倉田隊長は眉をひそめた。「大丈夫だ。何があったんだ?」

「突然、心臓発作を起こされて、幸い早期治療ができました。」

部下の報告を聞いて、倉田隊長は一瞬不安になった。心臓発作がどれほど危険かを知っていた。助かったのは本当に運が良かったのだろう。

そのとき、白衣を着た医師が入ってきた。倉田隊長は彼を見るなり、その手を握りしめた。「本当にありがとうございます。命を救っていただいて!まさに恩人です!」

その医師は困惑した表情を浮かべた。「隊長、そんな...私は...」

言葉が終わらないうちに、倉田隊長は続けた。「今後、何か困ったことがあれば、遠慮なく言ってください!私にできることなら、必ず助けますから!」

その言葉が終わるや否や、澄んだ声が聞こえてきた。「倉田隊長、その言葉、本当ですか?」

倉田隊長は一瞬驚き、振り向くと、一人の女性がドアから入ってきた。黒い長髪が背中に流れ、歩く姿は足を引きずるように、まるで足を上げるのが面倒くさそうだった。アーモンド形の目は愛らしいものの、鋭く冷たい眼差しで彼を見つめていた。まるで彼女の目には、彼がただの生物としか映っていないかのように。

倉田隊長は顔を曇らせた。「なぜお前がここにいる?」

その言葉に、寺田凛奈は意味ありげな笑みを浮かべた。

石山博義が横から口を開いた。「隊長、あなたの命を救ったのは寺田さんです。彼女がいなければ、今回は危なかったでしょう。」

倉田隊長:!!

こんなに早く面目を失うとは思ってもみなかった。その場で固まってしまった。

むしろ他の人々は寺田凛奈の周りに集まった。「寺田先生、今回は本当にありがとうございました!過去のことは水に流して、車を飛ばして来てくれて...ご安心ください。信号無視などの交通違反は、私たちが何とかします!」

その言葉を聞いて、寺田凛奈は頷いた。

電話を受けてから、彼女は猛スピードで駆けつけた。途中で何度も信号を無視し、パトカーに追われながらも、車を止める時間はなく、パトカーを引き連れたまま病院に突っ込んだ。

その後の交渉などは、石山博義が対応した。