第550章 彼女の手に落ちる!

どこが違うの?

寺田芽の言葉に、寺田凛奈と藤本建吾は好奇心を持って入り口の方を見た。

すると、藤本凜人が一歩一歩入ってきた。

彼は黒いスーツを着て、背の高い体つきで入り口に寄りかかり、その細長い鋭い目で個室内を一周見渡した後、天井に視線を向け、「ふん」と咳払いをした。

寺田凛奈の視線は、彼の顔に直接注がれた!!

いつもと同じように滑らかな頬には、相変わらず毛穴一つ見えず、白い肌は光沢を放ち、深い双眸と通った鼻筋、そして……

あれ、目尻のほくろはどこ?!消えてしまったの!!

寺田凛奈は突然立ち上がり、驚いて藤本凜人を見つめた。

藤本凜人は彼女の表情を見て、心の中でほっとした。

きっと自分の今の姿に魅了されたんだろう?

寺田芽は横で相づちを打ち、小さな体でぴょんぴょん跳ねながら尋ねた:「ママ、見て!パパ、前より格好良くなったでしょ?」