藤本奥様は一瞬固まった。「どういうこと?クビになったんじゃないの?」
寺田凛奈は彼女の相手をするのをやめた。結局、彼女と話すのは時間の無駄だった。礼儀正しく返事をした。「もう寝るわ。おやすみなさい」
そう言って電話を切った。
相手が藤本凜人の祖母でなければ、おやすみなさいなんて言わなかっただろう。
人付き合いが下手だなんて言われて、ふん。
寺田凛奈は携帯を手に取り、soloにメッセージを送った:【私ってどんな人だと思う?】
Mにいるsoloはそのメッセージを見て、思わず歯ぎしりした。
命を救ってもらわなかったら、こんな風に彼女に支配され、抑圧されることもなかったのに。
でも反抗できるか?もちろんできない。
soloは返信した:【とても素晴らしい人です!最高です!】
寺田凛奈は満足そうだった。
ほら、soloのような孤独な性格の人でさえ自分のことを良い人だと思っているのだから、人付き合いが下手なわけがない。
soloからまた新しいメッセージが届いた:【数日後、京都に帰るんだけど。会わない?】
京都に?
それは自分の身分を隠すのにちょうどいいかもしれない。
寺田凛奈は自分のQ としての身分が漏れるのを避けたかったので、返信した:【ちょうどいいわ。少し話があるの】
寺田凛奈は携帯を置き、自分が本当に人付き合いが下手なのかどうか疑問に思うこともなく、寝る準備をしていると、またドアがノックされた。
ドアを開けると、寺田真治が外に立っていて、今は非常に焦った表情をしていた:「凛奈、ムヘカルは一体どうなったんだ?」
寺田凛奈は軽く答えた:「彼は自信満々で、大丈夫だって言ってたわ」
寺田真治:?
特殊部門の今回の情報は聞き出すのが難しかった。他人に情報を聞くより、直接寺田凛奈に聞いた方が早いと思った。
だからムヘカルが連れて行かれてから、一方で人に状況を聞きながら、一方で彼女の帰りを待っていた。
でもまさかこんな簡単な答えだけとは。
おそらく特殊部門の中で外部に話せないことがあるのだろう。
しかし...まあいい、この妹から詳しい経緯を聞き出すのは、あの無口な性格では無理だろう。
寺田真治はそう考えながら頷き、彼女の肩を叩いた:「君のことは聞いたよ。大丈夫だ、落ち込むなよ」
寺田凛奈:「...何のこと?」