第546章 もう1つの仮面〜

どうやって逃げたの?

特殊部門に内通者がいることは、みんなが知っていることだ。

ムヘカルは自白して罪を軽くしようとしているのか?

木田柚凪のために、彼は本当に考え直したようだ。

寺田凛奈と石山博義が話そうとした時、尋問室のドアが突然開き、50歳前後の中年男性が大股で入ってきた。

彼は怒りに満ちた表情で、入室するなり寺田凛奈を睨みつけて言った。「さっきは何だったんだ?!特殊部門の職員として、たとえ外部の法医学者であっても、銃を向けられるようなことがあってはならない!」

寺田凛奈は眉をひそめて彼を見た。

その時、石山博義が口を開いた。「こちらは倉田隊長です。私の師匠でもあり、私がこの仕事に就いた時から指導してくれた方です。」

寺田凛奈は彼の方を見た。

さっき狙撃手に発砲を命じた人物がこの人なのか?