その言葉が出た瞬間、部屋の中は静まり返った。
伯父と伯母は呆然として、二人揃って寺田凛奈を見つめた。「三男、どういう意味だ?」
寺田真治も困惑した様子で凛奈を見つめた。
寺田凛奈は目を伏せたまま、ゆっくりと言った。「以前、後継者の地位を真治に譲った時、あなたたちの名義から養子縁組をしなかったのは私の過ちでした。今考えると、やはり養子縁組をした方がいい。そうすれば少なくとも、あなたたちの口を封じることができる。私の後継者を、誰でも好き勝手に批判できるようなものではない!」
その強い態度に、伯父と伯母は驚愕した。
以前、寺田凛奈が寺田真治を自分の側で育てていた時、二人は凛奈が養子縁組をするのではないかと心配して尋ねたことがあった。しかし凛奈は、子供は養子にしないと言っていた。