「……」
空気が突然静まり返った。
寺田凛奈は彼女に一部の真実を告げようと決意し、藤本柊花の方を向いて何かを言おうとしたが、相手がため息をついて言った。「どうして知ってるの?」
寺田凛奈:??
藤本柊花は顎に手を当てながら言った。「私、実は黒猫に会ったことがあるの。顔はよく見えなかったけど、きっとイケメンだと思う!」
寺田凛奈:???
藤本柊花は再びため息をついて続けた。「笑われるかもしれないけど、一年前、黒猫の情報を得て、逮捕しに行ったの。国際的に黒猫は指名手配犯だってことは知ってるでしょ。でも、行ってみたら、邪魔せずにそのまま逃がしちゃった。その日、黒猫は全身黒い服を着ていて、そんなに背は高くなくて、170センチくらいかな。でも、すごく身のこなしが軽やかだった。背中しか見えなかったけど、その一目で私、惚れちゃったの!」