入江冬月は常に自分の学歴を誇りにしていた。結局のところ、彼女のような高学歴の博士課程の学生は非常に少なく、希少な人材だったからだ。
だからこそ、会議室を出た直後に寺田凛奈を見かけた時、突然学歴で人を圧そうとしたのだ。
なぜなら、学歴以外に寺田凛奈に勝てるものが何もなかったからだ!
しかし今、彼女は画面に表示された寺田凛奈の個人情報を呆然と見つめていた。そこには明確に書かれていた:
学歴:大学院修了。
大学院は国内での最高学歴であり、海外では学部以上の学歴の区別はないため、大学院が最高学歴となる。
この点では入江冬月と同じだった。
しかし入江冬月の学位は修士だったが、寺田凛奈の資料には:
学位:博士。
博士号……これも最高学位だ!これ以上があるのか?もちろんある!ポスドクと学士院会員だが、この二つは職位でしかない。
そして多くの人は一生をかけてもポスドクや学士院会員になれない。
しかし寺田凛奈の記録には、さらに海外のある国際医科大学での職位が記載されていた:学士院会員。
「……」
入江冬月は自分が見間違えているのではないかと疑った。
25歳の学士院会員なんているのか?!
目をこすって再度確認してみると、そこには確かに学士院会員という文字が書かれており、さらにそれを証明する証書もあった。
倉田隊長は呆然としていた。
入江冬月も黙り込んだ。
ただ千葉というお人好しな男だけが呆けたように口を開いた:「なんてこった、今やっと分かったよ。石山が学歴で比べるのは自分から恥をかくようなものだって言ってた理由が!でも、でもどういうことなんだ?寺田さんって学校にも行ってないんじゃなかったの?なのに学士院会員だなんて?!」
傍らで誰かが明らかにゴクリと唾を飲み込む音がした:
「学士院会員か、まさか生きている学士院会員に会えるとは!寺田さんがあんなに傲慢なのも無理はない!私だってこんな学歴があれば、もっと傲慢になるわよ!彼女、マジでカッコいい!」
「石山はどこでこんな人材を見つけてきたんだ。仕事の能力は置いておいても、この学歴だけで我々の特殊部門でもトップクラスだろう!寺田さんは本当に我々の面目を施してくれたな!」
「……」