寺田凛奈のその言葉に、皆が一斉に彼女の方を見た。
石山博義は目を細め、倉田隊長を一瞥したが、その目には何の驚きも見られなかった。彼は心の中でこいつは老狐だと嘆きながら、寺田凛奈の方を向いて尋ねた。「相馬さんは死んでないのか?」
「今、心拍が戻りました」
寺田凛奈は口を開いた。「でも、こめかみを撃たれて、現在重度の昏睡状態です……」
倉田隊長はそれを聞いて、深い瞳に思索の色を浮かべながらも、表面的には興奮した様子を見せた。「なんだって?相馬さんは本当に死んでないのか?それは良かった!重度の昏睡状態か、この症状は治るのか?」
寺田凛奈は頷いた。「もちろん、私には彼を目覚めさせる方法があります!」
「それは良かった!」
倉田隊長は感極まって目を赤くした。「相馬さんは優秀な警察官だ。もし彼がこのまま死んでしまったら、全て私の責任だ!」