寺田洵太は頷いた。「うん、抑圧のあるところには必ず抵抗がある!」
寺田凛奈がドアを開けて入ってきた。
二人は同時に彼女の方を見た。
寺田洵太は驚いて、気まずそうに笑った。「い、いとこ、今の話、盗み聞きしてなかったよね?」
寺田凛奈は一歩前に出て、「してない」と言った。
一言で二人はほっとしたが、次に彼女は何気なく言い放った。「うん、堂々と聞いてたわ」
「……」
部屋は一瞬静まり返り、その後寺田凛奈はポケットからサンプル袋を取り出し、リリに渡した。
リリ:「……」
リリは袋をじっと見つめ、口角を引きつらせた。
さっき寺田洵太に、もう侮辱は受けられないって言ったばかりなのに!
面子のために、象徴的な抵抗くらいはしなきゃ!
彼女は直接寺田凛奈を見上げて言った。「社長、ひどすぎます!」