寺田芽は再び尋ねた。「じゃあ、お父さんはどこに行ったの?」
相手は「知るかよ。でもそれは重要じゃない。重要なのは誰も俺の面倒を見てくれなくなったってことだ」
寺田芽はさらに聞いた。「お母さんは面倒を見てくれないの?」
相手は「僕にはお母さんがいないよ。僕はお父さん一人から生まれたんだ」
寺田芽:??
相手は直接返信した。「もういいや、忙しいから。今度暇になったら、お兄ちゃんの凄さを見せてあげるよ!」
寺田芽は仕方なくスマートフォンを置いた。
隣にいた藤本建吾は好奇心を持って彼女を見つめた。「誰なの?」
寺田芽は首を傾げながら説明した。「ネットで知り合った友達なの。彼は牛の体で小麦を育てることができて、小麦に牛肉の味をつけることができて、犬うさぎを作ることもできて、猫犬も作れるの。すごく凄いの。一度、犬の体と猫の頭を繋げて、その猫犬を2時間生かしたんだけど、残念ながら最後は死んじゃったの」