藤本凜人は寺田凛奈を見かけると、急いで立ち上がって出迎えに行った。
入江和夜は口笛を吹いて、「虎女が来たか?」と言った。
藤本凜人「……」
彼は入江和夜に警告の眼差しを向け、入江和夜が大人しく口を閉じたのを確認してから、再び寺田凛奈の方を見た。
寺田凛奈は二人の前まで来ると、藤本凜人を無視して、直接入江和夜を見つめた。
無視された藤本凜人は口角を引きつらせながら、入江和夜に手招きをした。「こっちに来い」
入江和夜は口を尖らせ、軽蔑したような表情で二人の前まで歩いてきた。そして天井を見上げながら、ちらりと寺田凛奈を見た。
「挨拶しろ」
藤本凜人が命じた。
入江和夜は眉を上げ、「これはあなたが言えと言ったんですよ」
藤本凜人:?
不吉な予感が心の中で芽生えた瞬間、入江和夜は寺田凛奈に手を振って「やあ、虎女さん!」と声をかけた。