第677話 死にに来たの?

彼女が外に向かって歩くのを見て、藤本凜人も慌てて後を追った。

寺田凛奈は自分のGクラスの横まで走り、ドアを開けることもなく、両手でドアを押さえ、開いている窓から身を滑り込ませた。

一連の動作は流れるように滑らかで、藤本凜人が助手席に辿り着く前に、彼女の車は瞬時に最高速度で発進していた。

藤本凜人は追いつけないと悟り、前に飛び出して助手席のドアを掴んだ。

彼も寺田凛奈のような動きをしようとしたが、残念ながら背が高すぎて、痩せていても骨格が大きいため、窓から入ることはできなかった。

仕方なくドアを開けて助手席に座った。

しかし、座り直す間もなく、車は一気に飛び出していった。

藤本凜人はしっかりと座り、ドアを閉め、シートベルトを締め、グリップを掴んでから寺田凛奈を見た。「犯人が分かったのか?」