寺田凛奈の言葉に、福山さんが横から口を開いた。「でも、私たち招待状を持っていませんよ!」
寺田凛奈と佐竹璃与は目を合わせ、二人同時に言った。「すぐに手に入りますよ。」
福山さん:?
福山さんは困惑して藤本凜人を見た。「旦那様に二枚もらってきていただくのですか?」
「必要ありません。」
佐竹璃与の言葉が終わるか終わらないかのうちに、玄関からノックの音が聞こえ、宅配便の配達員が現れた。「佐竹ふじん、お荷物です。」
佐竹璃与と寺田凛奈は再び目を合わせた。
寺田凛奈はアーモンド形の瞳に理解の色を浮かべ、福山さんに言った。「ほら、招待状が来ましたよ。」
福山さん:?
福山さんは荷物を受け取り、開けてみると、中には確かに蘭の展示会の招待状が入っていた。彼女は驚きのあまり言葉を失った。「寺田さん、お嬢様、あなたたちすごすぎます!」
佐竹璃与は冷笑した。「彼女が京都に戻ってきてから蘭の展示会を開くなんて、明らかに私を狙っているわ。私の顔に泥を塗りたいなら、私を招待しないわけがないでしょう?」
福山さんは思わず自分の額を叩いた。「私ったら、ずっとここに住んでいて人付き合いが少ないから、こんな基本的な後宮争いのことまで忘れていました!」
寺田凛奈と佐竹璃与は福山さんの「後宮争い」という言葉に笑い出した。
佐竹璃与は彼女を軽く叩いて言った。「こんな新しい言葉はどこで覚えたの?」
福山さんは笑いながら答えた。「まあ、暇な時に宮廷ドラマや後宮ドラマを見て覚えたんですよ!」
佐竹璃与は急に怖い顔をして言った。「福山さん、あなた私が気付かない間にサボっていたのね!この老婆め、ずるがしこい、給料カットよ!」
福山さんは怯えたふりをして言った。「あらまあ、お嬢様、他の家は朝九時から夕方六時までですが、私は24時間お嬢様のお世話をしているんですよ。それなのに、テレビドラマを見て気を紛らわすこともダメなんですか?」
佐竹璃与は笑って言った。「私はあなたに24時間分の給料を払っているのよ。寝かせてあげているだけでも十分でしょう!」
福山さん:「資本家!」
佐竹璃与:「じゃあ16時間分の給料にしましょうか?」
「……お嬢様、これ以上従業員を搾取したら、あなたの大好きなワンタンに毒を入れますよ。」
二人は冗談を言い合って笑い合った。