第720章 顔面打破(4)

北島梨恵佳は眉をひそめた。「何をしているの?そんなにあわてふためいて、体裁が悪いわ!」

次の瞬間、警備員が言った。「鬼蘭が枯れました!」

北島梨恵佳はその言葉を聞いて一瞬固まり、眉をひそめながら口を開いた。「そんなはずはない!」

警備員は鬼蘭のある方向を指さしながら、唾を飲み込んで「本、本当です!」

北島梨恵佳はそれを聞くと、大股で鬼蘭の方向へ歩き出した。

佐竹璃与と寺田凛奈は目を合わせ、二人とも微笑んで後を追った。

行ってみると、さっきまで艶やかに咲いていた鬼蘭に変化が起きており、まるで水不足のように、花が徐々に垂れ下がっていた。

しかも肉眼で確認できるスピードで枯れていっていた。

北島梨恵佳が愕然とその鬼蘭を見つめている時、寺田凛奈は時計を確認して言った。「五十九分二十秒です。北島夫人、あなたの負けですね。」