淡々とした一言で、北島梨恵佳は一瞬固まった。
しかしすぐに我に返り、寺田凛奈に証拠があるはずがないと思った。
もし証拠があるなら、藤本優希が来た時点で出してきたはずだ。今になってそんなことを言うのは、強がっているだけだろう!
それに、人が二言三言話しただけで、他人に聞かれてもいないのに、どこに証拠があるというのだ?!
北島梨恵佳は嘲笑うように言った:「あなたに何の証拠があるというの?」
寺田凛奈は眉を上げ、突然スマートフォンを取り出し、動画を再生した。そこには秋田と北沢の会話が映っていた!
しかも!
そこには二人の先ほどの会話だけでなく、あの日トイレで話していた内容まで、藤本建吾が録音していたのだ!
二人を探しに来る途中、藤本建吾は彼らが否認することを心配して、すでに録音を寺田凛奈に渡していた。