第767話 義姉さんは実は高手だった

藤本凜人は一歩前に出た。この柳田さんは確かに手練れで、おそらく遺伝子薬剤を服用していたため、身のこなしが素晴らしく、力も強大で、対処が難しかった。

柳田さんは彼と対峙した途端、手ごわい相手だと悟った。入り口の両側にいるのは専門の警察官だと思っていたが、こちらの相手は楽に倒せると思っていたのに、どうやら相手を見誤ったようだ!

彼は後ろの部下たちに向かって叫んだ。「お前たち、先に突っ切れ!」

この数人が逃げ出せば、藤本凜人の注意が分散し、その隙に逃げられると考えたのだ。

彼の後ろにいる数人は、彼が丹精込めて育て上げた部下たちで、彼らの世界では最強の存在だった。遺伝子改良注射を打った後も、最も効果が高かった者たちだ。

藤本遊智でさえ彼らの相手にならないほど、その強さは群を抜いていた。