第777章 遺体は一体誰なのか?藤本凜人は生きているのか死んでいるのか?

鉄の扉が、二つの世界を隔てていた。

寺田凛奈は力を振り絞って、足で蹴り、押したが、その扉を開けることはできず、中の火がどんどん大きくなっていくのを見ることしかできなかった。

そして、この爆発音は、ついに警備員の注意を引き、直接消防隊員を呼んで消火に向かわせた。

寺田凛奈はその扉を見つめていた。

彼女の頬には終始、平静と冷静さが漂っており、人々が押し寄せてきた後でさえ、理性的に鉄の箱を自分のポケットに入れた。

すぐに、鉄の扉の中の火は消え、消防隊員がついに工具で扉をこじ開け、中に突入した。

中の全てが爆発し、灰になっており、床には焼け焦げて元の姿が分からず、骨だけが残った遺体が横たわっていた。

一つの遺体...これは寺田凛奈に希望を与えた。

黒服の男と藤本凜人の二人が中にいたのに、なぜ一つの遺体しか見つからないのか?