寺田凛奈のこの言葉は、人々によって解析され、ネット上に投稿された。
ある人はこう解析した:
——二日後に答えを言う?二日後に金価格が最安値を更新するんじゃない?そうすれば寺田家は今年の利益で首位になって、藤本家との決別を発表する?
——上の人は冗談でしょ?元々自分の子供が藤本家の財産を相続できたのに、今決別して、寺田さんは何を得るの?寺田家からのわずかな配当?
——上の配当の話を見て思ったけど、寺田家は後継者の座を寺田さんに与えないの?みんな知ってるように、今の寺田家の当主は前当主の甥なんだよ!
——はっ、私は寺田グループの内部の人間ですが、はっきり言えることは、会社の株式譲渡は完了していて、寺田社長が51%の絶対的支配権を持っています。前の後継者は寺田さんに10数%の株式しか与えていません。だからあなたたちの言っていることは、全くの根拠のない話です!
——寺田グループの人?じゃあ教えて、あなたの会社と藤本グループは、これまで本当にライバル関係だったの?
——もちろんライバル関係です。私たちは外部との競争だけでなく、内部でも競争しています。同じプロジェクトには必ず二つのチームが研究開発を行います。競争こそが人類の最も原始的な情熱を駆り立てるのです。でも私の知る限り、寺田家は首位や次位といったことを気にしていません。寺田グループの年間売上高は藤本グループとそれほど変わりません!
——それほど変わらないとしても、少ないのは少ない。首位や次位を気にしないと言っても、次位は次位。誰だって永遠の次位から抜け出したいでしょう?それに、藤本社長にはたった一人の息子しかいないんだから、寺田さんが少し策を弄って藤本グループに5億の損失を出させても、今年の売上高で次位になるだけで、藤本家はそれほど気にしないでしょう。こうして寺田家が一度首位になれるなら、やらない手はないでしょう?5億なんて、寺田家にとっては大したことないでしょう?
……
……
信じる人もいれば、信じない人もいて、みんな他人の不幸を喜ぶかのように噂話に興じながら、静かに二日後の結果を待っていた。
寺田凛奈は外界の声など全く気にせず、藤本家の件を処理しながら、海外のプロジェクトを探して、Mの国に行く口実を作ろうとしていた。