第790話 金価格の逆襲!

藤本グループ。

寺田凛奈が車で到着した時、会社にはすでに多くの人が来ていた。

大半の株主たちも来ており、皆、今日彼女がメディアと人々にどのような説明をするのか気にしていた。

寺田凛奈が最上階の社長室に入った時、秘書課では藤本グループに愛着を持つ秘書たちがひそひそと話し合っていた。

「今日、皆に説明があるそうだけど、一体どんな説明なのかしら。あと2日で年末の集計だし、その時には1年の売上高データが出るわ。今日までに金の損失を取り戻せていなければ、藤本グループは今年危ないわね。」

「ああ、私の友達が寺田グループにいるんだけど、彼らのところではもう今年の売上高が出てて、去年より大幅に増加したって。私たちは今年、藤本社長の下で研究開発、特にバイオ医薬品と半導体開発に多くを投資して、100億円は戻ってこないお金よ。こうなると、藤本グループは本当に王座から転落してしまうのかしら?」

「実は私たち、毎年のデータを見てきたけど、藤本グループが首位を維持できているのは、毎年ギリギリのところなのよ。毎年寺田グループより数億円多いだけで、こんな小さな差なら、どれか一つの儲かるプロジェクトで決まってしまう...こう考えると、私たちの勝利は本当に厳しいものだったわね...」

「ねえ、知らないの?実はこれ全部藤本社長が計算済みなのよ。売上高が数億円多いだけで、追い抜かれそうな状況だからこそ、私たちにやる気が出るのよ。そうでなければ、差が大きすぎると、私たちが独占状態になってしまう...そして数億円の差だと、寺田グループも私たちを追いかける意欲が出るわ。でも、そうなると今年は本当に危ないわね...」

「そうよ、全部寺田さんのせいよ。取締役会の日に金の先物取引を適切に処理していれば、こんなに損失を出さなかったはず。よく比較してみると、私たちは実は寺田グループより数千万円少ないだけなのよ!あの時処理していれば、10億円の損失は避けられたし、今年の首位も安泰だったのに。」

「だから、ある人は曹操の陣営にいながら漢の心を持っているってことね!」

CCが突然冷たく口を開いた。

今は12月末で、今年の売上高は昨日の退社時に集計が出ていた。これから数日で今月は終わり、その後にこの数日間の利益が加算されれば、簡単に結果が出る。