「藤本グループから出て行け!」
「そうだ、出て行け!あなたのような社長は必要ない!」
「……」
頭の回転が少し遅い人たちは、携帯で金の価格を確認することもせず、普段から証券取引アプリすら持っていない彼らは、ただ会社に忠実で、予定通りにスローガンを叫んでいた。
現場には、ccが入れた記者たちがマイクを向けていた。記者たちに報道させることで、寺田凛奈を藤本グループから追い出しやすくなるはずだった。
記者たちは寺田凛奈を取り囲み、第一手の情報を得ようとしていた。
しかしその時、ccは突然顔を上げ、信じられない様子で寺田凛奈を見つめた。
誰かが彼女の肩を揺さぶり、尋ねた。「ccさん、どうしたの?話してよ!みんなあなたの言葉を待ってるわ!」
ccは唾を飲み込んだ。
彼女は一言一言はっきりと言った。「金が...値上がりした。」