「よかろう」クイーンローズは同意して頷いた。「伝書フクロウは送られたか?」
ローランドは椅子の座面に触れて頷いた。「ああ」
「よし」彼女は再び言った。「それで、あの娘は?ジャスミンは?」
チェリーは姉が尋ねると体を硬くした。
「彼女についてはあまり分かっていない。ただの私生児だということだけだ」とローランドは答えた。
女王はため息をつき、思考を巡らせながら行ったり来たりした。
「かわいそうな娘」と女王は言った。「彼女が何を経験したか想像もつかない。ベイルがそんなことをする残酷さを持っていたことは皆知っているわ」
「姉上、彼がそんなことをしたかどうかは分かりませんよ」とチェリーは言った。「私たちが知る限り、彼女が全てを計画したのかもしれない。父親にそう持ちかけたのかもしれない。だってどんな娘がそんな試練を進んで受けるでしょう」
「そうかもしれないわね」とローズは言った。「ええ、その通りね。でも彼女が無実である可能性も否定できないわ」
「ああ、姉上」チェリーは頭を振りながらため息をついた。「あなたは優しすぎる。もう昔のように人を信用できる時代ではないのよ。こういった娘たちがどれほど冷酷になれるか、あなたには分からないわ」
ローズは首を振った。「彼女の母親は?何か分かっているの?」
「彼女らの群れに囚われていた奴隷だったことしか分かっていません」とローランドは言った。「彼女は妊娠し、ルナ・マリアはずっと嫉妬していました」
「それは珍しくもない」とローズは言った。「ルナ・マリアは夫の愛人たちの処理をしていたことで知られていた。彼女たちはいつも不思議と行方不明になっていたわ」
ローランドは学士に頷いた。
学士は咳払いをして話を続けた。
「はい、陛下。そして彼女はある策を考え出しました。ベイルが群れを離れて恐怖の襲撃に出かけた際、妊娠中の奴隷を牢獄に投げ入れて閉じ込めたのです。奴隷は難産になり出産しました。赤ん坊は未熟児でした。母親は死に、赤ん坊も死ぬはずでした」
「しかし奇跡が起こり、赤ん坊は生き延びた。そしてそこで奴隷のジャスミンが登場したのだ」とローランドは言った。
「母親とその出自については何も分かっていないの?」と女王は尋ねた。