盗まれた宝石

マリアは、レッドが彼女の申し出を断った場合に備えて、母親が教えてくれた二番目の手段を使うことにした。

寝室に着くと、夫のお気に入りのチュニックに見えない縫い目を作った。

夫がそれを着るのをどれほど好んでいるか知っていたし、それが自分の目的にとって重要になることも分かっていた。

母親は闇魔法で作られた針を彼女に渡していた。

マリアは一度も闇魔法を使ったことはなかったが、母親はそれを使いこなしていた。

「これを取りなさい」母は言った。「あの娼婦が受け入れを拒否して群れを去らない時は、この針を使って夫のお気に入りの服に、あなたの髪の毛と夫の髪の毛を一緒に縫い付けるのよ」

「どうして『時は』なの?彼女が最初の申し出を受け入れないって、どうしてそんなに確信できるの?」マリアは尋ねた。

「私は女だから、女にできることを知っているのよ」母は答えた。

そして案の定、レッドは申し出を断った。

「それで、どうなるの?」マリアは尋ねていた。

「あなたの夫は彼女から離れ、あなたの方を向くようになるわ」母は約束した。

彼女は二人の髪の毛を、ほとんど見えないほど丁寧に縫い付けた。

そして夫の服を元の場所に戻した。

夫が寝室に戻ってきたのは夜中の一時を過ぎてからで、マリアは胸に裏切りと欺瞞を感じずにはいられなかった。

あの娼婦の部屋から戻ってきたことは明らかだった。

縫い付けてから数日が経っても、マリアはほとんど変化を感じられなかった。

特にレッドへの関心は、以前と変わらないままだった。

そしてある日、チャンスが訪れた。

無法な狼たちが彼らの領土を侵していて問題が起きているという知らせが入った。

ベイルはガンマに任せていたが、事態は悪化していたようだった。

そして今、レッドを群れに連れてきた日以来、初めて彼は出発を余儀なくされた。

マリアは寝室で服を着る夫を見つめていた。

夜明け前で、彼は早めに出発しようとしていた。

「必ず戻ってくる」彼は身を屈めてマリアの頬にキスをしながら約束した。

「ここで待っています、愛しい人」彼女は告げた。

そして彼が寝室を出て行くのを見送った。

これが彼女の出番だった。

急いで寝室のバルコニーに向かい、夫が部下たちと出発するのを見守った。

彼が本当に出発したことを確認するため、約一時間待った。