ジャスミンには二つやるべきことがあった。
一つ目は、そして最も重要なのは、アーマに会ってマリアから聞いた話について話し合うことだった。
しかし、その前にアンナと向き合わなければならないことを知っていた。
それは嫌な仕事だったが、避けては通れないことだった。
アンナの部屋に着くと、ドアをノックした。
「出て行って」とアンナは叫んだ。
ジャスミンは身を固くしたが、ドアを開けた。
中を覗くと、アンナが狼群全体を見渡せる窓辺に座っているのが見えた。
泣いているようだった。
ジャスミンが静かに部屋に入ると、アンナは振り向いた。
「出て行けと言っ-
ジャスミンを見て言葉を途切れさせた。
「あなた」と非難がましく言った。「あなたこそ、私が一生見たくない人よ!出て行きなさい!」
「話がしたいだけなの」とジャスミンは言った。
アンナは近くの花瓶を掴むと、ジャスミンに投げつけた。
「出て行けと言ったでしょう!」と叫んだ。
しかしジャスミンはそれを避け、花瓶は壁に当たって床に落ち、千々に砕けた。
「誰とも話したくないと言ったでしょう!一人にしておいて欲しいの!」とアンナは怒りに任せて叫んだ。
ピンク色の顔と赤い鼻から、泣いていたことは明らかだった。
それも無理はない。
彼女は知っている唯一の母親を失ったのだから。
母親が暴君で、アンナを小悪魔に育て上げたとしても。
それでも母親であり、ジャスミンには経験したことのないものだった。
皮肉なことに、母親がいない人生を送ることになった原因が、彼女の母親だったとしても。
「ザデンのことで来たの」とジャスミンは言った。
ジャスミンが帰る気配がないと分かると、アンナは窓辺に戻って座った。
膝を抱え込んで頭を乗せ、群れの方を見つめた。
「あなたの喪失を悲しく思います」とジャスミンは言った。
アンナは冷たい笑いを漏らした。「お願いだからジャスミン、その偽りの同情は止めて。私たち二人とも、あなたが母を憎んでいて、死んで喜んでいることを知っているわ」
「私があなたを混乱させているのね」とジャスミンは近づきながら言った。「私はあなたとあなたの喪失に同情するために来たの。でも、あなたのお母さんの死を悲しんでいるとは一言も言っていないでしょう?」
アンナの表情が曇った。