第536章：厲司承は最後に笑う

蘇千瓷は布団を被り、肩が小刻みに震えていた。

荒く急いだ呼吸が、彼女の今の状態を如実に物語っていた。

秦書畫は口を押さえ、蘇千瓷の手を離して、立ち上がって病室を出た。

ドアを出て厲堯を見るなり、秦書畫はもう抑えきれず、声を上げて泣き出した。「厲堯、どうすればいいの、私たちの息子が、私たちの息子が……」

厲堯も目が赤くなり、ティッシュを取り出して彼女の涙を拭いてあげた。

秦書畫はしゃがみ込んで、心が引き裂かれるような泣き方をした。

厲北行が戻ってきた時、まだ軍服を着たままだったが、それでも厲司承の遺体さえ見ることができなかった。

今、息を切らしながら、両親と弟が病室の前で見せているその様子を見て、とても信じられない表情を浮かべていた。

前に進み、厲北行は厲靳南の肩に手を置いた。

厲靳南は深く息を吸い込み、すでに真っ赤になった目で、厲北行が来るのを見ると、すぐに振り向いて大きく抱きしめた。

厲北行は厲靳南がこんな様子を見せるのは初めてで、心がますます空っぽになり、部屋の中を見ながら尋ねた。「義妹は中にいるのか？」

「ああ」厲靳南は彼を離し、やや潤んだ目で「来てからずっと声を出さず、こっそり泣いているんだ」

厲北行は一歩下がり、彼らを見つめ、まっすぐに立った軍服姿は言いようのない威厳を漂わせながら尋ねた。「彼の遺体、見たのか？」

「いいえ」厲靳南は苦しそうに顔を覆い、椅子に座り、少し詰まった声で、深い自責の念を込めて言った。「あれほどの爆発で、遺体なんて見られるはずがない」

「遺体がないわけがない、一体見つかったんじゃないのか！」厲北行は信じたくなかった。あんなに意気揚々として、手腕も果断だった厲司承が、こうして亡くなってしまったなんて？

冗談じゃない！

彼らの中で誰が先に死んでもおかしくないが、厲司承は……絶対に最後まで笑っているはずだ！

彼は卑劣で厚かましく、忍耐力も意志も人一倍強く、生命力も人を驚かせるほど強かった。

死ぬはずがない！

「生きていれば人を、死んでいれば遺体を見せろ。彼の遺体を見ていない以上、私は絶対に彼が死んだとは信じない！」厲北行は力強く言い、厲靳南を見つめた。「探しに行ったのか？確かにないのか？」

厲靳南は何も言わず、手も離さず、ただそのまま顔を覆って静かに座っていた。