広々とした部屋は、恐ろしいほど空っぽだった。
これからは、彼女は自分の力で生きていかなければならない。何をするにも、自分の力で。
自分で食べ、自分で寝て、自分でお風呂に入る。
ベッドから出るときは必ず靴を履くように注意する人もいなければ、毎晩寝る前にお菓子を食べてはいけないと警告する人もいない。毎日毎日、起こしてくれる人も、一緒に食事をする人も、服を買ってくれる人もいない……
でも、こんな彼女は、生きていけるのだろうか?
きっと大丈夫、前世だってこうやって生きてきたのだから……
誰も助けてくれず、誰も振り向いてくれず、誰も彼女の喜怒哀楽を気にかけてくれなかった。
あの時、それでもあれだけの年月を乗り越えてきたじゃないか?
今、天はただそれらすべてを彼女に返してきただけ、それだけのこと。